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丹後国(たんごのくに)

山陰道の国。現在の京都府北部。713年(和銅6)丹波国から加佐・与謝(よさ)・丹波・竹野(たかの)・熊野の5郡を割き成立。「延喜式」の等級は中国。「和名抄」に国府所在地は加佐郡と記されるが,旧与謝郡(現,宮津市)に府中の地名や国分寺跡があり,時期による移転説もある。一宮は籠(この)神社(現,宮津市)。「和名抄」所載田数は4756町余。「延喜式」では調は綾・絹・帛,庸は米・韓櫃(からびつ)など,中男作物として椎子(しいのみ)・烏賊(いか)など。明徳の乱後,山名氏にかわり一色氏が守護となる。応仁・文明の乱で一時守護職を奪われるが復帰,分国支配を行った。織田信長による制圧後,細川氏が宮津城へ入る。江戸時代には京極高知(たかとも)が支配し,のち宮津・田辺・峰山の3藩が分立,ほかに但馬出石(いずし)藩領や久美浜(くみはま)代官所領が存在した。1871年(明治4)廃藩置県により宮津県・舞鶴県・峰山県が成立。まもなく豊岡県に統合され,76年京都府に編入された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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