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短甲(たんこう)

古墳時代の鎧(よろい)の一種。上半身を保護するための防御用武具で,前胴と後胴が一連で作られ,左右の前胴を押し広げて着用する胴一連(胴丸式),右前胴のみ後胴と蝶番(ちょうつがい)でつながり開閉する2枚胴式(右胴開閉式),左右の前胴が後胴と蝶番でつながり開閉する3枚胴式(左右開閉式)の別がある。4世紀後半に竪矧板革綴(たてはぎいたかわとじ)式が現れ,5世紀になると三角板鋲留(びょうどめ)式や横矧板鋲留式が出現する。実物以外にも5~6世紀の埴輪や石人(せきじん)に短甲を表現したものがみられる。金属製の出現以前にも存在し,弥生後期に木製短甲が,古墳前期には革製漆塗やツヅラフジを編んだ短甲がみられる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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