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俵物(たわらもの)

「ひょうもつ」とも。江戸時代,長崎貿易の輸出海産物。とくに煎海鼠(いりこ)・干鮑(ほしあわび)・鱶鰭(ふかひれ)の3品をいう。俵詰めで輸送したことによる呼称といわれる。唐船の俵物輸出は17世紀末頃から増加し,長崎会所は1744年(延享元)長崎町人8人に俵物一手請方を命じ,諸国浦々からの集荷を独占させた。しかし俵物の唐船への売値固定化と仕入値の高騰で,しだいに請方商人の資金がゆきづまり集荷は減少。85年(天明5)以降は会所が全国から直接仕入れることとなり,長崎・大坂・箱館に俵物役所を設けて独占的に集荷した。幕末開港後は自由貿易を求める欧米の圧力で,1865年(慶応元)長崎会所の俵物の独占集荷体制は廃止された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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