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達(たっし)

江戸時代,幕府や藩からの通達・命令を告げ知らせること。また通知された法度類。触が広範囲に触れ出される法令なのに対して,特定の部局・関係者にかぎって出されるものをいう。しかし幕府が編集した「御触書集成」は触と達の区別をせず収録している。達を記した文書を達書といい,関係者に回達された。口頭で通達される場合もあり,これを口達(くたつ)・(こうたつ)といったが,実際は口頭伝達ののち,相手に書付が渡されることが多かった。明治政府は,法令や通達を発布主体と対象によって布告・布達・達にわけ,省庁・官吏に対する訓令の類を達としている。1886年(明治19)公文式が制定されて消滅。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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