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高橋財政(たかはしざいせい)

1931年(昭和6)12月以降,犬養・斎藤・岡田各内閣で蔵相を務めた高橋是清(これきよ)が担当した財政運営。浜口内閣の金解禁政策が深刻な不況と多額の金流出をもたらしたのに対し,高橋は金輸出を再禁止して金流出のデフレ効果を断ち,為替下落はしばらく放置して輸出増大に結びつけ,33年春に外国為替管理法による為替統制を開始した。また時局匡救(きょうきゅう)費と軍事費を柱とする膨張予算の財源調達策としては,日本銀行引受け方式による多額の赤字公債発行と預金部資金融通で景気回復を待った。高橋は34年11月岡田内閣の藤井真信(さだのぶ)蔵相の退任で再び蔵相になると,財政健全化のために公債漸減方針を掲げて軍部と対立し,2・26事件で殺害された。以後,財政運営は戦時財政へと進んだ。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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