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多賀城(たがじょう)

多賀柵とも。陸奥国におかれた古代の城柵。宮城県多賀城市市川・浮島にあり,仙台平野の北端に位置する。外郭は築地・材木塀で区画され,最大が東辺の1050m,最小が西辺の660mの不整方形を呈し,東・西・南に八脚門をもつ。内郭中央に南北116m,東西103mの政庁があり,正殿・脇殿などの建物や広場がある。内郭で官衙・工房・住居・道路,外郭の周辺で多賀城付属の多賀城廃寺(現,多賀城市高崎)や国司の館(たち)・道路・町などの遺構群が検出された。737年(天平9)に「多賀柵」とみえるのが史料上の初見だが,724年(神亀元)までには造営され,10世紀半ばまで存続。陸奥国府・鎮守府(のちに胆沢城(いさわじょう)に移転)がおかれるなど,古代東北の政治・軍事の拠点となった。城跡・寺跡とも国特別史跡。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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