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内裏(だいり)

大内(おおうち)とも。宮城内での天皇の御在所。平安宮では建礼門を正門とし,紫宸(ししん)殿を正殿とする一郭。平城宮までは天皇は毎日大極(だいごく)殿に出御して政務をみるのが原則だったが,長岡宮以降,日常はのちの紫宸殿にあたる内裏正殿で政務をとるようになった。これは長岡宮・平安宮で内裏と朝堂院(正殿は大極殿)が分離した配置になることと対応している。平安宮では,天皇が政務後私的な生活を送るのは,当初は仁寿(じじゅう)殿であったが,10世紀以降,清涼(せいりょう)殿が天皇の日常政務の場兼私的生活の場となり,紫宸殿は儀式の場へと移行した。平安中期には,平安宮内で日常的に利用されるのは内裏を中心とした部分だけとなっていった。鳥羽朝以降,天皇は日常は里内裏に住み,儀式・祭祀のときのみ内裏に遷御するようになり,内裏は荒廃していった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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