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太平天国(たいへいてんごく)

中国清代後期の民衆的政権。太平天国はその国号。広東省の読書人洪秀全(こうしゅうぜん)は,科挙失敗後キリスト教の影響をうけ,1847年には神の啓示をうけたと確信し,拝上帝会を組織。50年同会は太平天国を号し,51年広西省で挙兵した。太平軍は勢力を拡大しながら北上して武漢を攻略,揚子江(長江)ぞいに東行して53年3月南京を陥落,首都天京とした。しかし56年頃から内部抗争が激しくなり,曾国藩(そうこくはん)の湘(しょう)軍や李鴻章(りこうしょう)の淮(わい)軍などが60年頃までに天京以西の地盤を奪取し,北京条約成立後,欧米列強も太平天国に対し中立から敵対に転じた。こうした連合戦線の攻撃のなか64年6月洪が病死し,7月には天京が陥落して太平天国は壊滅したが,十数年にわたる戦はその後の中国で革命運動の先駆として意識された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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