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大仏様建築(だいぶつようけんちく)

天竺(てんじく)様とも。鎌倉初期,東大寺再建にあたり重源(ちょうげん)が採用した建築様式。巨大な東大寺大仏殿を構造上安全かつ経済的に造りあげるために用いられた。福建省など中国南方の様式を多くとりいれる。特徴は,平安時代に発達した野屋根を排したこと,貫(ぬき)を用いて柱をつなぎ強固な構造を造りあげたこと,組物に挿肘木(さしひじき)を用いたことなど。重源死後はそれを継承する工匠集団が解体したために消滅したが,巨大建築を造る必要が生じると復活した。重源在世時の代表作には東大寺南大門(1199年),浄土寺浄土堂(1192年)などが,後世では東福寺三門(1425年),方広寺大仏殿(1589年,のち焼失),元禄再興の東大寺大仏殿(1709年)などがある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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