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太閤記(たいこうき)

広義には豊臣秀吉の一代記の汎称。何種類もの著作がある。秀吉の命によって大村由己(ゆうこ)が著した「天正記」以外は秀吉没後の著作で,初期のものに太田牛一の「太閤軍記」(うち1巻が「大かうさまくんきのうち」とされる),川角(かわすみ)三郎右衛門の「川角太閤記」,さらに由己や牛一の著作などを参酌してなった小瀬甫庵(おぜほあん)の「太閤記」などがある。とくに甫庵「太閤記」は有名で,狭義には「太閤記」といえば甫庵のものをさすが,史実との関係については問題が多い。その後も武内確斎作・岡田玉山画「絵本太閤記」,栗原柳庵編「真書(しんしょ)太閤記」など潤色された作品が巷間に流布し,後世の演劇・小説・講談の素材となった。甫庵「太閤記」は「新日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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