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代官(だいかん)

�@中世に,代理人・代務者の意味で広く使われた言葉。たとえば源頼朝の命をうけて平家追討にむかった源範頼・同義経は鎌倉殿御代官と称される。一般には守護代・地頭代・預所代・公文(くもん)代・政所代のようによばれた。代官の代官は又代官という。「御成敗式目」14条によれば,地頭代が本所の年貢を抑留した場合,その罪は地頭正員(しょういん)にも及ぶとされた。従者の罪を主人にかけないのが中世法の原則なので,地頭代は正員の従者ではなく分身とみなされたと考えられる。荘園では,荘園領主から荘務を任された者を代官とよんだ。�A近世,幕府や諸藩で農村支配のためにおかれた役人。幕府では,はじめ60人程度の代官がそれぞれ5万~10万石の幕領を管轄して,年貢徴収,法令伝達,戸口把握,訴訟の受理と審理,軽犯罪の処断のほか,場所によっては鉱山・山林の管理をも行った。享保期以降は,勘定所官僚としての性格を強め,数年で任地がかわることが多く,役高150俵程度で旗本の役職としては下位に属した。実務は,手付・手代という下級役人が地方・公事方にわかれて行った。諸藩では,一般的には郡代・郡奉行などの下で,管轄地域の農政を行った。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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