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天工開物(てんこうかいぶつ)

中国の代表的産業技術書。3編18巻。江西省奉新県の学者宋応星(そうおうせい)著。明末の1637年刊。中国在来の技術を穀類・衣服・染色・調製・製塩・製糖・製陶・鋳造・舟車・鍛造・焙焼・製油・製紙・製錬・兵器・朱墨・醸造・珠玉の18部門にわけて記載。当時の重要産業を網羅し,その生産過程も詳しくのべる。知識人層を対象にした啓蒙書で,実証的精神につらぬかれ,方術書や本草書の記述を批判。各部門の製造風景や過程を多数の図で解説しており,江戸時代の日本で多くの人々に愛読され,1771年(明和8)には木村蒹葭堂(けんかどう)本をもとに和刻本が出版された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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