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転向(てんこう)

一般的にはある思想信条から別の思想信条に転換することだが,歴史的には佐野学・鍋山貞親(さだちか)の転向声明後の権力の強制による社会主義思想の放棄,国家社会主義・日本主義などへの転換をいう。共産党の最高幹部であった両者が1933年(昭和8)6月8日,「共同被告同志に告ぐる書」を発表,コミンテルンの国際主義を排斥,天皇をいただいた一国社会主義をめざし,反戦闘争と植民地解放政策に反対した。声明は影響力甚大で,未決・既決の党員の3割以上が追随した。初めは実践運動からの後退だけで転向を認められたが,後にはマルクス主義の放棄も要求され,当局の転向政策が完成,非転向者は数えるほどになった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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