天狗草紙(てんぐぞうし)
鎌倉時代の宗教界を天狗にたとえて風刺した絵巻物。もと7巻。興福寺巻の詞書中に1296年(永仁4)成立と記載される。仏教歌論書「野守鏡(のもりのかがみ)」との関連が指摘される。延暦寺巻(東京国立博物館蔵),園城寺巻(宮本家蔵),東寺・醍醐寺・高野山巻(東京国立博物館蔵),浄土宗・山伏・時宗・禅宗巻(個人蔵),諸天狗成仏巻(根津美術館蔵),ほか東大寺巻と興福寺巻の模本(東京国立博物館蔵)が残る。異本に「魔仏一如絵」。いずれも重文。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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