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手形(てがた)

江戸時代には広範な契約証書をさした。とくに貨幣制度の不備を補い,商業・金融取引の円滑な決済を行うため使用された諸手形は,大坂で創出され広く流通した。種類は預手形・振手形・振差紙・素人手形・為替手形などがある。預手形は両替商が預金者にあてて発行した預金証書で,持参者に対し支払われた。振手形は逆に預金者が両替商にあてて振り出したもので,この受取人は名あての両替商と取引のある両替商に持参すれば支払いをうけることができた。振差紙は両替商相互の,為替手形は隔地間の貸借決済のための手形である。両替商の手をへず,商人間で節季勘定の代金決済のために流通したのが素人手形で,雑喉場(ざこば)手形・唐物商手形などがある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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