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帝人事件(ていじんじけん)

番町会事件とも。斎藤実内閣を倒した疑獄事件。1933年(昭和8)台湾銀行は同行保有の帝国人造絹糸(金融恐慌で倒産した鈴木商店の系列)の株式10万株を売却したが,翌年1月「時事新報」は実業家グループ番町会関係者が要路工作によって不当に安く帝人株を購入した,とのキャンペーンを展開。検察は4月帝人監査役河合良成,同社取締役永野護,旭石油社長長崎英造,そして帝人社長高木復亨(前台銀理事),台銀頭取島田茂らを,5月には黒田英雄次官以下銀行局長ら5人の大蔵官僚を検挙した。斎藤首相は閣僚への波及必至とみて7月3日に総辞職(7月に三土忠造鉄道相,9月に中島久万吉前商工相を収容)。37年にだされた判決で全員無罪となり,検察の過酷な取調べに対しては司法ファッショという批判が加えられた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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