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鳥追(とりおい)

稲などをついばむ鳥を追うまねごとをする小正月の予祝行事。おもに関東・東北地方や長野県に分布する。子供たちが田の中に仮小屋を建て,注連飾(しめかざり)などで屋根を葺いたあとそこにこもる。正月15日の夜に小屋に火をつけ,「たいと(大唐)の鳥が渡らぬ先に」などと鳥追歌を唱える。これは左義長(さぎちょう)などの火祭とも関係する型だが,夜に大人も子供と一緒に鳥追歌を唱えて地区を回る山形県西田川郡(現,鶴岡市)の例や,カマクラの雪室(ゆきむろ)を拠点に各戸を回る秋田県の例,七草の行事と習合した山陰地方の例がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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