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富本節(とみもとぶし)

富本豊前掾(ぶぜんのじょう)が創始した浄瑠璃。常磐津(ときわづ)節・清元節とともに豊後節の系統に属し,豊後三流といわれる。豊後節禁圧後,江戸に残った門弟の宮古路文字太夫は1747年(延享4)常磐津と改姓し,常磐津節をおこした。文字太夫の弟弟子の小文字太夫も兄弟子と行動をともにしたが,翌年富本と改姓し独立,翌々年には受領して富本豊前掾となった。初世の実子は美声といわれ,2世豊前掾となり富本節の全盛期を作りあげたが,その期間は短かった。2世の在世中に清元節が富本節から独立し,新興の清元節におされて衰運をたどった。曲風も豊後系浄瑠璃のなかでは硬派の常磐津と,粋で軽妙な清元の中間的なものといわれる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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