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土偶(どぐう)

縄文時代に製作された人間をかたどる土製品の総称。縄文人の信仰・呪術・祭祀と深くかかわる呪物で,縄文文化特有の遺物だが,具体的な用途は解明されていない。早期前半の関東地方に発生した最古の土偶は,三角形または糸巻形の粘土板に乳房をつけた小型の抽象形土偶である。全体に早・前期の土偶は抽象的で,数量も少ない。中期以降には有脚立像形の写実的な土偶が発達するとともに,製作量が増加。土偶には大型・小型,抽象・写実,立像・蹲踞(そんきょ)像などの種類があり,約70の型式に分類されるが,多くは東日本の中~晩期に発達した。後期の筒形土偶・ハート形土偶・山形土偶・みみずく土偶,晩期の遮光器(しゃこうき)土偶・有髯(ゆうぜん)土偶などは,独特な造型で著名。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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