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棟梁(とうりょう)

集団の中心・指導的人物。統領・頭領なども同意。もとの意味は建物の棟(むね)と梁(はり),家屋全体や屋根を支える重要部分のこと。武家集団・寺社の衆徒や郡・郷住人を束ねる者,ことに近世には大工・左官などの職能集団の統率者をさすことが多くなった。(1)武家の棟梁。武士の長者とよばれた源義家などが代表例。清和源氏・桓武平氏などの棟梁が地方武士を統率した。(2)職人の棟梁とされる大工棟梁は,15世紀以降の棟札などにみられる。近世に入ると大工・木挽(こびき)・左官・鍛冶など職人の専業化が進み,それぞれを束ねる棟梁が存在したが,ことに建築全体を統轄する大工が重要視され,江戸幕府の作事奉行には大工頭・大棟梁・大工棟梁などが職制にくまれ,大棟梁は諸職の棟梁を統率した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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