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銅版画(どうはんが)

銅版による版画。普通は凹版。版面を直接刻む方法と,硝酸などの腐食液を用いて製版する技法がある。日本には桃山時代にイエズス会によって西洋の銅版画がもちこまれていたが,技術が確立するのは18世紀後半である。司馬江漢(しばこうかん)は,西洋の書物による知識をもとに銅版画の技術を修得。1783年(天明3)日本ではじめての腐食銅版画(エッチング)を作った。江漢の銅版画は,眼鏡絵(めがねえ)用の江戸風景を中心としたもので,美しい手彩色(てさいしき)が施されている。その後,亜欧堂田善(あおうどうでんぜん)や安田雷洲(らいしゅう)らが登場した。江戸時代の銅版画の多くは,その細密な描写をいかして挿図や地図など,実用的な用途に供されることが多かった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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