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闘茶(とうちゃ)

茶の味を飲みわけて勝負する中世の遊戯。鎌倉末期には各地で茶の栽培が行われるようになり,品質に差が生じた。日本の茶の栽培は栂尾(とがのお)(現,京都市右京区)に始まったという説が信じられ,その茶が品質においても最高とされた。栂尾の茶を本茶とし,他地域のものを非茶として,初期には本非を飲みあてる遊戯が行われ,のちには3種ないし4種以上の同異をあてるものに発展した。莫大な賭物や贅を尽くした飲食をともない盛行したが,侘茶(わびちゃ)の発生によってすたれた。今日でも茶かぶき(茶歌舞伎・茶香服)の形で伝統が残る。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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