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唐人貿易(とうじんぼうえき)

江戸時代,中国本土や東南アジア各地から長崎に来航した中国船との貿易。唐船の来航は室町末期には西日本各地にみられたが,1635年(寛永12)幕府により長崎1港に限られた。当初は清朝の遷界令により日本への渡航が禁止されたため,明の遺臣鄭氏や福建沿岸・台湾の密貿易商によって行われていたが,84年(貞享元)展海令が出されたことから,江蘇・浙江2省を中心とする中国本土からの唐船の来航が急増。このため幕府は85年の定高(さだめだか)制をはじめとして唐船の取引高や来航船数を制限した。中国側は清朝の弁銅政策にもとづき官商(有位官の特定1家)や額商(特定の民商12家)などの銅の集荷商人を中心として来航し,生糸・絹織物・薬種・砂糖などをもたらした。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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