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爪印(つめいん)

花押や印章のかわりに指先に印肉をつけて押すこと。江戸時代から,しだいに庶民の間で印が用いられるようになったが,女子は印判をもたない建前だったので爪印を用いた。遊女の請状などでは,遊女になる女子が爪印を押した例が多い。男でも印判の持合せのないときや,戸主でない者による証文で用いることがあり,若者仲間の議定などにみることができる。離縁状に爪印を押す習慣だった地方もある。1873年(明治6)7月5日に太政官布告で,同年10月1日以後の証書への使用を禁止された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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