運慶(うんけい)
生没 ?~1223.12.11 鎌倉前期の仏師。康慶の子。奈良を本拠に天平彫刻や平安初期彫刻に学びながら,写実的で量感に富んだ新しい仏像様式を確立し,鎌倉彫刻の基礎を築いた。1180年(治承4)に平重衡の攻撃によって焼亡した東大寺・興福寺の復興造像をはじめ,東国武士や宮廷貴族関係の造像にたずさわるなど幅広く活躍。文覚(もんがく)に重用され,東寺講堂諸仏の修理や神護寺講堂の造像を行った。95年(建久6)の東大寺大仏殿供養で法眼(ほうげん),1203年(建仁3)の東大寺総供養に際し法印に叙された。晩年の12年(建暦2)頃に完成した興福寺北円堂の弥勒如来像と無著(むぢゃく)・世親(せしん)像は日本彫刻史上の傑作で,3体とも国宝。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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