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浦上崩れ(うらかみくずれ)

肥前国浦上村(現,長崎市)で,近世後期から幕末期にかけて発生した4回のキリシタン露顕事件。一番崩れは1790年(寛政2),二番崩れは1842年(天保13),三番崩れは56年(安政3)におきたが,証拠不十分であまり問題にならなかった。四番崩れは浦上教徒事件ともいう。58年締結の諸外国との通商条約により,幕府は居留地内の外国人の信仰の自由を承認。カトリックのパリ外国宣教会は大浦天主堂を完成し,居留地外の日本人に布教した。長崎奉行所は67年(慶応3)秘密教会を襲撃して信徒を逮捕したが,フランスとの関係を考慮して信徒を帰村させ,事件は一段落した。しかし明治維新後,新政府が浦上一村総流罪を決定し,70年(明治3)名古屋以西の20藩に3384人を配流したため,列強外交団の抗議をうけ,73年キリシタン禁制の高札を撤去し,信徒も釈放した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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