浦(うら)

地形的には海や湖を抱えこむかたちで湾曲した場所。前近代では漁村一般をさした。古代には王権に直属する贄人(にえひと)・海人部(あまべ)が浦や浜の魚介を贄として貢納。中世にはその系譜をひく供御人(くごにん)や神人(じにん)が供御・供祭(ぐさい)を貢納しながら,浦・浜の地先水面の漁場を共同開発して,魚介類の特権的な販売に従事した。近世ではとくに領主に対して浦役を勤める漁民を浦百姓,またその漁村を漁業権のある浦(浦方)と認定し,地方(じかた)の百姓・村と区別した。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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