産土神(うぶすながみ)
自分が生まれた土地の神。ウブスナは本居などとも表記され,自己の生地を出自意識において表現する語である。生産を意味する他動詞ウムスと同源のウブスに土地の意のナが結合したものか。生地との紐帯の強さから,産土神は一生の守護神と信じられた。「延喜式」では尾張国に宇夫須那神社がみえる。中世以降しだいに氏神(うじがみ)の語が血縁集団から地縁集団の守護神をも意味するようになり,氏神との混淆が生じた。近世,初宮参りや一般の氏神参りを産土参り(産神(うぶがみ)詣とも)というに至る。この信仰は平田派国学に重視された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)
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