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有徳人(うとくにん)

徳人・得人とも。中世~近世における富裕者をいう。流通関係に携わる一般庶民の富者をさす場合が多い。経済的利得が「徳」と表記された背景には,御伽草子の長者説話のように,拝金的世相や単純な致富願望とは異質な,中世民衆の「有徳」観があった。有徳人には頭役や寄進などによる社会への経済的・宗教的還元が期待され,領主からは有徳銭が課された。そこには徳政要求にも通じる,富の平準化を求める「ならかし」という中世的な論理があった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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