1. 用語
  2. 日本史 -う-
  3. 内灘事件(うちなだじけん)

内灘事件(うちなだじけん)

石川県河北郡内灘村(現,内灘町)の米軍砲弾試射場をめぐる反対闘争。朝鮮戦争に際して日本は米軍用砲弾を製造していたが,米軍は1952年(昭和27)9月の日米合同委員会で砲弾試射場の提供を要求。政府(第4次吉田内閣)は内灘村砂丘地を選定,地元と交渉を開始したが,県議会などの反対運動により難航した。12月に4カ月の期限付でようやく接収,翌年3月試射が開始された。政府は6月2日試射場の継続使用を決定したため,着弾地点への座りこみ,北陸鉄道労組の米軍物資輸送拒否など反対運動が燃えあがり,デモ隊と警官隊の衝突へと発展したが,15日試射再開が強行された。その後条件派の台頭などにより,9月村長は試射場使用を承認した。11月の村長選挙で反対派候補が敗れ,反対運動は終息に向かったが,その後の基地反対闘争に大きな影響を与えた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう