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打ちこわし(うちこわし)

打毀しとも。江戸時代の下層都市民や百姓による闘争形態のうち,最も激しいもの。ただしその概念は多様。都市の打ちこわしは飢饉などによる米価の騰貴が原因となったものが多い。1703年(元禄16)の長崎の米商人への打ちこわしに始まり,33年(享保18)の米の買占めに起因する江戸の打ちこわし(高間騒動),68年(明和5)の大坂家質奥印(かじちおくいん)差配所設置反対の打ちこわしなどがある。87年(天明7)には江戸・大坂を中心に近世を通じて最高の発生件数となった。百姓一揆における打ちこわしは,強訴に付随し,藩の専売政策と結びついて暴利を貪る特権商人や不正を行う村役人などにむけられた。家屋や家財・仏壇の破壊など,共同体による制裁の意味合いが強く,盗み・放火は自制された。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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