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氏長者(うじのちょうじゃ)

平安時代の氏の統率者。令制の氏上(うじのかみ)・氏宗の系譜をひき,氏人(うじびと)を率いて朝廷に仕えた。氏長者の称の初見は799年(延暦18)。氏人の範囲を確定して本系帳を提出するほか,氏社の祭,大学別曹の管理,氏爵(うじのしゃく)の推挙などを行い,藤氏長者は氏印(長者印)と朱器台盤を伝えた。氏中で官位第一の者がなるのが原則とされる。本来はすべての氏にあったのであろうが,「職原抄」は「凡そ氏長者と称するは,王氏・源氏・藤氏・橘氏この号あり」とし,他に史料上では(大)伴・中臣(なかとみ)・忌部(いんべ)・卜部(うらべ)・高階(たかしな)・和気・菅原などの例が知られるだけである。橘氏の長者の権能は,橘氏衰微ののちは縁戚関係のある有力公卿が是定(ぜじょう)として行使した。藤氏長者・源氏長者の称は明治初年に廃されるまで続いた。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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