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請作(うけさく)

中世~近世の小作の一種。中世では,10世紀頃から荘園領主らと田堵(たと)・負名(ふみょう)などの耕作者との間で結ばれはじめた。古代の賃租(ちんそ)という1年有期の小作契約制を継承し,毎年領主に請料と請文を出して耕作を申請し,段別3~5斗の地子(じし)を納めた。1年ごとの契約なので,耕作者の身分は領主の束縛から自由であるが,土地用益権は不安定で,領主の優位は動かなかった。12世紀には請作経営の反復実績から安定的な永年請作に転化。さらに世襲の永年作手(さくて),そして名主職へと結実するが,その反面耕作者は領主への身分的従属を強いられた。近世では有力農民と小農民との間で結ばれた私的な小作関係をさす。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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