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浮世絵(うきよえ)

近世の絵画様式の一つ。浮世すなわち現世謳歌の風俗を画題とした。肉筆画と版画があり,遊女や評判美人を描いた美人画,芝居絵・役者絵・相撲絵,名所絵・風景画・花鳥画,武者絵,物語絵など幅広い。見立(みたて)や略(やつし)(姿をかえる)の表現様式も重要な要素である。肉筆画は近世初期の風俗画の系譜を引き,菱川師宣(もろのぶ)・西川祐信(すけのぶ)・懐月堂安度(やすのぶ)・宮川長春などが輩出した。浮世絵版画は,量産化にともない絵画の大衆化を促し,墨摺(すみずり)から多色筆彩の時代をへて錦絵とよばれる木版多色摺が明和頃に考案され,黄金期を迎えた。絵師には喜多川歌麿・東洲斎写楽(しゃらく)・葛飾北斎らが出た。版本の挿絵も多く,私家版の摺物も出版された。西洋画の遠近法の影響をうけた浮絵(うきえ)などもある一方で,浮世絵がヨーロッパの印象派に与えた影響も見逃せない。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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