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魚市(うおいち)

鮮魚類を売買する市場。近世初頭,都市の発達とともに都市住民の水産物需要をまかなうため,鮮魚の円滑な流通を期して設置された。京都の魚市は元和年間に始まり,万治・寛文頃には市内3カ所に魚屋町があり,三店(さんだな)魚問屋と称し25軒の問屋があった。大坂では天正年間に始まり,鮮魚商人は1618年(元和4)天満町・靭(うつぼ)町から上魚屋(かみうおや)町に移住したが,のち京町堀と江戸堀のあたりが魚市場(雑喉場(ざこば))となった。1772年(安永元)に鑑札をうけていた問屋は84,仲買は103。江戸の魚市場は江戸初期に摂津国佃村から移住した漁民が,幕府へ上納した残りの菜魚の売場を日本橋本小田原町・本船町に開設したことに始まる。近代ではこれらは中央卸売市場の一つとなった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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