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和事(わごと)

歌舞伎の演技術およびその演技術を用いる場面や演目をさす。元禄期の名優坂田藤十郎らによって創始されたが,当初は濡事(ぬれごと)・やつし事とよばれた。廓(くるわ)で遊女と痴話(ちわ)喧嘩をしたり戯れたりする演技が原型で,没落した若殿がかつての馴染みの遊女にあう場面が多い。享保期に至り,その演技の質を表現して和らか事,さらに和事の名称が成立。和事は色男の役だが,喜劇的な側面が不可欠で,若旦那の「突っころばし」なども和事から派生した演技・役柄である。元禄期には江戸にも中村七三郎のような和事の名人がいたが,もっぱら上方の和事が伝承されたことから,一般に江戸の荒事と対比されるようになった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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