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和気氏(わけうじ)

別氏とも。吉備地方の豪族出身の氏族。垂仁天皇の皇子鐸石別(ぬてしわけ)命の後裔という。元来,備前国藤野郡(のちの和気郡)付近を本拠とする地方豪族だったが,8世紀半ば頃に広虫(ひろむし)・清麻呂姉弟が中央に出仕。氏姓ははじめ磐梨別公(いわなすのわけのきみ)。のち藤野別真人・吉備藤野和気真人・輔治能(ふじの)真人・別部・和気公・和気宿禰(すくね)と次々に改姓し,774年(宝亀5)和気朝臣となる。清麻呂の子広世(ひろよ)・真綱(まつな)らは文章生(もんじょうしょう)から出身して官途につき,良吏として知られる一方,高雄山寺(のちの神護寺)で法会を開くなど,最澄・空海の外護者として天台・真言両宗の創立に貢献。広世は大学別当となって大学寮を復興し,一族のため弘文院を設立した。「和気氏系図」が伝わる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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