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和漢朗詠集(わかんろうえいしゅう)

平安時代の歌謡集。2巻。藤原公任(きんとう)撰。1012年(長和元)頃,あるいは18年(寛仁2)頃の成立。上巻は四季,下巻は雑。漢詩文588首と和歌216首。朗詠題のあとに中国詩文・日本詩文・和歌の順に並べる。漢詩文の作者は白居易が圧倒的に多く,菅原文時・同道真(みちざね)が続く。和歌の作者は紀貫之(つらゆき)・凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)・柿本人麻呂・中務(なかつかさ)らが多い。成立の背景には朗詠の流行や,和漢の作品を並置する傾向の発生がある。後世の文学に与えた影響は大きく,和歌・漢詩のほか,物語・軍記・説話・今様・謡曲など多岐に及ぶ。「日本古典文学大系」所収。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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