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東漢氏(やまとのあやうじ)

倭漢氏とも。応神朝に来朝したと伝える阿知使主(あちのおみ)を祖とする,渡来系の有力豪族。「続日本紀」延暦4年(785)6月条の坂上苅田麻呂(さかのうえのかりたまろ)の上表では阿知使主を後漢霊帝の曾孫とするが,漢(あや)は朝鮮の安邪国(現,慶尚南道咸安地方)に由来するとの説もある。「日本書紀」雄略16年10月条に漢部の伴造(とものみやつこ)となり直姓を賜ったとみえる。大和国高市郡檜前(ひのくま)付近を本拠に,多くの渡来系技術者や部民を統轄し,外交・軍事・財政・文筆などの分野で王権に奉仕した。すでに6世紀には文(ふみ)(書)・坂上・民・長など多くの氏に分裂しており,682年(天武11)5月に連(むらじ),685年に忌寸(いみき)に改姓したのちは東漢という総称はほとんど用いられなくなる。8世紀半ば以降は坂上氏が同族で最も優勢となった。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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