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日本武尊(やまとたけるのみこと)

「古事記」では倭建命,本名は小碓(おうす)命。記紀伝承上の人物。景行天皇の皇子。母は皇后の播磨稲日大郎姫(はりまのいなひのおおいらつめ)。大碓(おおうす)尊は双子の兄。景行天皇に命じられて九州南部の熊襲(くまそ)を平定し,さらに東国に派遣されて蝦夷(えみし)を討ち,帰途病をえて伊勢に没した。その間に草薙剣(くさなぎのつるぎ)の霊力や弟橘媛(おとたちばなひめ)の入水,尊の死後その霊が白鳥と化するなどの話があり,とくに「古事記」には多くの説話がおりこまれる。大和政権による地方の平定を1人の勇者の物語として伝えたものと思われるが,「古事記」の説話が孤独な英雄として描き,人間性・文学性豊かなものであるのに対し,「日本書紀」は天皇の命をうけて征討の任にあたる国家の将軍として描いており,両者にはかなりの相違が認められる。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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