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やまと絵(やまとえ)

倭絵・大和絵・和絵とも。唐絵(からえ)と対をなす語として平安時代から用いたが,語義は時代とともに異なる。平安時代には日本の風俗や自然風景を描いた絵画,とくに四季絵・月次(つきなみ)絵・名所絵などをさした。屏風や障子に描かれたものには,しばしば屏風歌とよばれる和歌が記され,絵画とともに鑑賞の対象とされた。鎌倉後期頃からは,新たに舶載された水墨画やそれに類した唐絵に対し,平安時代以来の伝統的な絵画をさした。室町時代には流派の意識がうまれ,天皇や公家の注文により伝統的な絵画を制作する土佐派がおこり,唐絵の様式を統一した狩野派とともに日本画の二大流派となる。江戸時代には土佐派からわかれて住吉派も現れた。浮世絵の絵師たちも大和絵師を自称する。現代ではこうした歴史をふまえた伝統的・日本的絵画を大和絵とよぶことがある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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