1. 用語
  2. 日本史 -や-
  3. 邪馬台国論争(やまたいこくろんそう)

邪馬台国論争(やまたいこくろんそう)

「魏志倭人伝」に記載される邪馬台国をめぐる論争。邪馬台国に関する研究は江戸時代以前にさかのぼるが,明治末年の白鳥庫吉と内藤湖南の論争をきっかけに,大正・昭和期におもに所在地をめぐって北九州説と畿内大和説が激しく対立した。それぞれ倭人伝に記される行程記事と矛盾する点があり,それを克服するものとして,伊都(いと)国以降の方位についてはこれを放射状に解する榎一雄の説がだされたりしている。第2次大戦後は考古学・国語学・民俗学などの関連分野からの考察も加わり,また問題点も位置論に限らず,邪馬台国の社会・政治・構造,卑弥呼(ひみこ)の権力の性格など多方面にわたって論争が展開。最近では日本の古代国家の特質やその成立過程をめぐる論争の一環として,さらに活発な議論がなされている。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

この記事が気に入ったらいいね!しよう