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ユーカラ

アイヌ民族が伝承する長編の英雄詞曲・神謡。地域によってハウキ・サコロペ・ヤイェラップなどとよぶ。一例をあげれば,ポンシヌタプカウンクル(ポイヤウンペとあだなされる)という若き英雄がレプンクル(沖に住むひと)といわれる人々と幾多の戦いをへて,やがて美貌の伴侶をえて故郷に凱旋するという構成。聞き手が拍子棒で拍子をとり,語りの間合いに掛け声を入れながら語られる。アイヌ文学を代表する作品群として知られ,古くは蝦夷浄瑠璃・軍談浄瑠璃とも称された。知里真志保によって,ヤウンクル(本土びと)とレプンクルとの戦いというモチーフがアイヌ民族とそれ以外の民族との民族戦争にもとづくとの考えが提示されて以来,歴史性をめぐって議論がある。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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