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友禅染(ゆうぜんぞめ)

糸目糊(いとめのり)を主体とする糊防染と多彩な色挿しにより,絵画のような自由度の高い図様を表現する染色法。俗に,江戸前・中期に活躍した扇面絵師宮崎友禅の創始と伝えられるが,彼は意匠家としての役割をはたしたもので,近世初期から伝わる糸目糊の技術を友禅染として大成したのは京都五条近辺の染工たちと考えられる。本来は筒描きか楊枝(ようじ)糊による手描友禅(本友禅)の形態だったが,明治期以降は型紙を用いる型友禅,ビロードに絵画的な文様を表現したビロード友禅,生地に直接筆彩を施す素描(すがき)友禅など多様に発展した。今日では手描友禅も糯米(もちごめ)の糊にかわってゴム糊を用いるものが主流である。 (山川 日本史小辞典(改訂新版), 2016年, 山川出版社)

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