アヘン

阿片,鴉片 ケシ科の植物の果実を傷つけ,分泌する乳液を乾固してえられる麻薬。褐色の粉末状で,これに加工して膏(こう)としたものを紙に塗り,竹管にはさんでタバコのように吸う。モルヒネその他約20種のアルカロイドを含む麻酔性の劇薬であるから,これを常飲すると心身ともに麻痺して廃人となる。中国で,アヘンを吸飲するようになるのは比較的新しく,17世紀頃からといわれるが,古くは鎮痛,回春の妙薬として用いられていた。19世紀にアヘン吸飲が急増して以来,問題が生じ,イギリスとの間でいわゆるアヘン戦争に発展した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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