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アッシリア

Assyria ティグリス川中流域,メソポタミア北部の古代国家およびその領域をさす名称。アッシュル市を中心として前2千年紀初頭までには都市国家を形成し,アナトリアとメソポタミアを結ぶ交易の担い手となった。前14~前13世紀には西アジア世界の列強国として台頭した。その後,盛衰をへて,前9世紀から前8世紀にかけての大規模な軍事遠征によって西アジア全域に進出,強制移住政策によって征服地に住民の入れ替えを行い,次々と行政州を形成して広域を併合した。前8世紀末から前7世紀後半の最盛期にはメソポタミア,シリア・パレスチナ,アナトリア南東部,イラン西部を行政州あるいは朝貢国として直接間接に支配し,西アジア広域に帝国として君臨した。その支配は一時エジプトにも及んだ。前7世紀のアッシュル・バニパルの治世を頂点に衰退し,前612年,新バビロニアとメディアの連合軍により帝国の首都ニネヴェを攻略されて滅亡した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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