朝鮮民主主義人民共和国(ちょうせんみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく)
北朝鮮と略称される。朝鮮半島の北半部に位置する社会主義国家。首都は平壌(ピョンヤン)。1948年9月,北朝鮮人民委員会を母体として,38度線の北側に金日成(キム・イルソン)首相を首班とする朝鮮民主主義人民共和国が樹立された。48年憲法では首都はソウルとされた。建国当初はソ連の強い影響下にあったが,50年代中頃に金日成体制が確立し,60年代には対ソ,対中自主路線が強調された。72年の憲法改正で,金日成は共和国主席に就任し,「南朝鮮革命」を通じた祖国統一をめざしたが,80年の労働党第6回大会以後,一国家二制度の「高麗(こうらい)民主連邦共和国」創立を目標に掲げた。94年に金日成主席が死去し,長男である金正日(キム・ジョンイル)が後継者として登場した。98年の憲法改正では,共和国主席とその補助機関である中央人民委員会が廃止され,最高人民会議常任委員会よりも上位に国防委員会が創設され,金正日が委員長に就任した。経済的には,重工業優先の計画経済が破綻し,90年代にはマイナス成長に陥った。95年以後食糧危機が深刻化した。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)
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