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朝鮮王朝(ちょうせんおうちょう)

1392~1910 朝鮮最後の王朝。1392年李成桂(りせいけい)(太祖)が高麗(こうらい)に代わって建国,翌年国号を朝鮮と称した。都は漢城(現ソウル)。明ついで清を宗主国とし,日本と修好を持った。15世紀が全盛期で,ことに名君世宗のとき文物制度が整い,領土も豆満江(とまんこう),鴨緑江(おうりょくこう)の線を確保した。高麗の仏教に代わって儒学(朱子学)が文教の原理となり,儒教の礼法は家族制度,階級制度を規律した。しかし儒教主義の徹底は,16世紀以後特権身分の世襲官僚(両班(ヤンバン))の間に党争を引き起こし,政治の混乱が始まった。そのうえ1592~98年,日本の侵入を受けて国土は疲弊し,ついで後金(清)が侵寇して1637年その属国となった。この間党争はさらに激化し,国勢は衰微をたどった。18世紀には実学(実用の学)が起こり,また洋学,キリスト教が中国から伝えられた。19世紀後半以後は列強の圧力が加わり,日本と日朝修好条規(1876年)を結んで開港した。その後,日本,清,ロシアの勢力が錯綜するうちに,国号を大韓帝国と改め(97年),日露戦争をへて日本の支配が決定的となり,1910年日本に併合された(韓国併合)。朝鮮王朝500年間は朝鮮全土が一民族単位となった時期で,学術思想,美術工芸などに朝鮮文化の定着と自主性がみられる。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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