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長江(ちょうこう)

古称では江または江水。全長約6300kmの長江は,黄河をもしのぎ中国で最も長い。古来,江河というように黄河と並び称されてきた。黄河流域とその支流には秦から北宋までの統一王朝の都が置かれてきたが,長江流域に統一王朝の都が置かれたのは明初の太祖のときの南京だけである。つまり長江流域を拠点にした王朝は,分裂した時代の地域政権であった。三国の蜀漢(しょくかん)と呉,東晋,南朝,五代十国の十国,南宋である。しかも長江流域が一つにまとまっていたのではなく,上流の巴蜀(はしょく),中流の荊楚(けいそ),下流の呉越(ごえつ)に分断されてきた。長江流域の考古学の新発見は多く,浙江(せっこう)省の良渚(りょうしょ)遺跡,河姆渡(かぼと)遺跡,湖北省の石家河(せっかが)遺跡,湖南省の城頭山(じょうとうざん)遺跡,四川省の三星堆(さんせいたい)遺跡などは,黄河流域を中心に考えてきた見方に反省をせまっている。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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