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中国共産党(ちゅうごくきょうさんとう)

ソ連の指導を得て1921年に結成された。建党初期,労働運動・農民運動の発展に力を入れたが,27年の国共分裂を契機に武装闘争に転じ,江西省などの農村地域で根拠地をつくった。国民党の攻撃に敗れ,党中央と紅軍は34年から戦略的撤退を余儀なくされた。35年,中央指導部が改組され,毛沢東は事実上の最高指導者となった。1936年の西安事件をきっかけに,国民党との抗日民族統一戦線が結成された。抗日戦争で,共産党は日本軍の背後に根拠地をつくり,ゲリラ戦を展開し,軍事力と組織力を拡大。46年からの国共内戦で国民党に勝ち,49年に中華人民共和国を樹立。建国以後,共産党はソ連から中央集権型の計画経済体制を導入し,国家建設を進めたが,毛沢東への個人崇拝,経済建設の経験不足および権力闘争の混乱などがあり,反右派闘争,大躍進運動および文化大革命などの失政を重ねた。76年に毛沢東が死去し,華国鋒(かこくほう)はその後継者になったが,78年の第11期3中全会で,_小平(とうしょうへい)は党内の実権を掌握し,近代化路線を打ち出した。それから,共産党は一党支配体制を前提に改革・開放政策を進め,経済発展の実績をあげた。市場経済の導入や私営企業主の入党許可を中心に脱社会主義イデオロギーも進んでいる。人事の面で「若返り」政策が推進され,「テクノクラート」は「革命世代」に代わって党内の実権を握っている。近年,江沢民(こうたくみん)らの第3世代から胡錦濤(こきんとう)らの第4世代への最高権力の移行が行われた。 (山川 世界史小辞典(改訂新版), 2011年, 山川出版社)

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